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お出かけルポ

「キッズ・ゲルニカ」プロジェクト だよ!

子どもが学べる

2011/09/02

お出かけルポは、交野市在中のママさんたちに、子どもと一緒に楽しめる場所へ出かけ、リポートしてもらうコーナーです。
今回はどんな素敵な場所を教えてくれるのでしょうね! た・の・し・み!!
こんにちは~ ちゃとらんです。
今回私は、交野市の「キッズ・ゲルニカ」プロジェクトでの作品完成の様子を取材してきました。
キッズ・ゲルニカとはピカソがスペイン市民戦争に抗議して描いた「ゲルニカ」と同じサイズ(3.5m×7.8m)のキャンバスに子ども達が「平和」をテーマに絵を描くという国際平和壁画プロジェクトです。
製作は8月6日、7日の2日間で、私は最終日の完成の間際にお話を伺ってきました。
制作の様子
制作の様子
制作の様子
制作の様子
制作の様子
制作の様子
早速、阿部先生にお話を聞いてみました。
阿部寿文先生は現在、大阪女子短期大学 幼児教育科の教授をしておられます。とても気さくな先生で私の質問にも丁寧に答えて下さいました。
阿部先生
阿部先生
― 「キッズ・ゲルニカ」を始められたきっかけは何ですか。
1988年にアメリカを2ヶ月間回りました。色んな大学の先生に手紙を出し、返事が来た順に訪問しました。
その中の1人がペンシルバニア州立大学のブレント・ウィルソン。彼の書いた「美術からの描画指導」を私が翻訳した中に、壁画的な構成を超えて壁画としてメッセージを伝えていく方法=『ゲルニカスタディ(ゲルニカから学ぶ)』というものに興味を持ったことや、1995年にアメリカのフロリダ州立大学のトム・アンダーソン教授に出会い、彼の専門の美術教育・壁画研究などがきっかけになりました。
戦後50年で何かやりたかったということ、またトムから「君から始めよう。」と言われたことから始まります。私はネパール、パプアニューギニア、韓国、台湾に、トム・アンダーソンはクウェート、オーストラリア、カナダの美術関係者に声を掛けて芋づる式に広まっていきました。」

― 最初の作品は何処から始まったのですか。
1995年7月にフロリダ州立大学で子ども達と、同年8月6日~9日には日本の徳島で制作しました。現在では44カ国に広まっています。そのうちに『キッズ・ゲルニカ』のホームページも出来ました。

― どんどん広がりを見せているのですね。
そうですね。8月9日の長崎の平和式典には子ども達のキッズ・ゲルニカが飾られます。光村出版の来年の図工の教科書には長崎市長与第2中学校の作品が載りますよ。

― 何か メッセージを頂けませんか。
子どもが伝えたいこと、大人が子どもに伝えたいことを壁画の交換を通して分かり合うことはいいんじゃないかな。

お忙しいところ 有難うございました。

そうこうするうちに作品が完成したようです。
出来上がった「キッズ・ゲルニカ」
出来上がった「キッズ・ゲルニカ」
1枚の写真には収まりきりません。
1枚の写真には収まりきりません。
秋山さんと子ども達
秋山さんと子ども達
26人の子ども達が参加し、作品制作の感想の発表がありました。

「絵を大きく描くのが難しかったです。」
「色を塗るのが難しかったです。」
「描くのは大変だけど楽しかったです。」

阿部先生も、「とても嬉しくて感動しています。1人1人の顔、平和の願いが見えてきます。この絵が色んな国を駆け巡って絵の中の思いが伝わっていくことを祈っています。」
と最後の挨拶でおっしゃっておられました。
作品と子ども達、ボランティアの皆様方 ―市長を囲んで―
作品と子ども達、ボランティアの皆様方 ―市長を囲んで―

この催しの実行委員をされておられる秋山深幸さんにお話を伺うことができました。
お忙しい中、終始活発に動きながらも笑顔で皆に接して、会場を和やかな雰囲気にしておられました。
秋山さんは塾を14年、教育機関で12年、子育て支援のNPO事務局でチーフとして1年勤務され、現在は教育コーチングと親学セミナーを開催されておられます。
秋山さん
秋山さん
― 今回 交野市で「キッズ・ゲルニカ」をやることになったきっかけは?
前職のNPOの子育て支援施設に勤務していた際に、キッズアートプロジェクトの武内先生と知り合いになったことがきっかけです。
もともと子どものために何かできないか、ということで四條畷で子育て支援の会を立ち上げ、交野市の40周年記念事業でも何かできないか、と企画委員会に市民公募させて頂きました。その企画の1つが『キッズ・ゲルニカ』です。

― 他にはどんな企画を提案されたのですか。
「提案した企画は5つあります。 
1つは『キッズ・ゲルニカ』。
2つ目は『プレイフル・サンドアート』。巨大な砂場でファミリーで色んな砂遊びをして貰うという企画です。
3つ目は『かえっこキャラバン』。防災プログラムで子ども達がゲームを通じて防災の知識を身に付けます。
4つ目は『フォーラム』。映画監督の河瀬直美さんを招いて講演会とパネルディスカッションの大人向けのプログラムです。
5つ目は『文化人のネットワーク』。地域や子どもに提案できる文化のネットワークづくりです。
これらを提案しました。

― 「キッズ・ゲルニカ」は子ども達の実際の制作の他にも大人向けに講演会もありましたが。
7月10日に発案者の阿部先生をお招きして大人向けに講演して頂きました。
色々なスキルを身につけて頂いて、来年以降も今回参加された方がメインでやって頂けるように、という流れをつくりました。防災の企画もそういう流れで進めていくものでコンセプトが続く企画を提案しています。

― 子ども達の制作の様子をお聞かせ下さい。
平和と命をテーマに2日間絵を描きました。小学校をばらしてグループ分けしたのですが6年生のリーダーさんが積極的に動いてくれて、皆新しい友達も沢山出来て楽しんで制作していました。

― 有難うございました。
今回「キッズ・ゲルニカ」の取材では、子ども達の為に一生懸命に動いて下さるボランティアの皆様の様子や子ども達の達成感に満ちた表情が印象的でした。
自分の描いた絵が世界を駆け巡るというのは夢があってよいなあ、と思いました。一緒に見に行ったうちの子どもは「来年参加する~。」と息巻いていました。
秋山さんにお話を伺って企画された他のプログラムに是非参加したいと思いました。楽しみです。
ちゃとらんでした。