進行（以下、進）：年代別のカテゴリーとはいえ、内田くんが高校生で日本代表に選ばれたことは、地元にとって大きな期待です。たしか中西さんも高校時代に代表入りを？

中西さん（以下、中）：はい、高校１年で初めて。インターハイで優勝していますし、水泳とテニスとで競技は異なりますが、成績や経験という面では私の学生時代と似ているかもしれないね。じゃあ、こういった取材とかは？

内田くん（以下、内）：最近、結構受けるようになりました。

中：もっと増えるように活躍してほしいですね。それで、テニスはいつから？

内：５歳です。父がコーチで、これまでずっと自宅近くの星田テニスクラブで。

中：私は経験がないからぜひ聞きたいけど、お父さんがコーチってどう？

内：話しやすいですよ、思ったことが言いやすいですし。

中：え、でも、怒られた時とかは気まずくない？　家に帰ってからとか？

内：いえ、ずっと怒られているので慣れましたよ（笑）。もう昔からの付き合いといった感じなので……。ただ、中学生の頃には反抗することもありましたが、今はほとんどないですね。

中：えー、そうなのぉ（驚）。私なら、「コラ、お前今日ここがあかんかったで！」ってガツンと叱られたら、逃げ出しますよ、絶対。親がコーチは無理です。

内：でも、自分からアドバイスをくれっていうのは、なんかだか恥ずかしいですね。

中：そうよね、お父さんだし。でも、お互いに何でも言い合えるようなところはいい。選手とコーチって相性が必要で、合わなくって伸び悩む子もいっぱいいるからね。それだけ信頼関係があるということですね。

進：さて、世界の選手と戦ってみて、なにか感じたことはありましたか？

内：いろいろありますが、経済的に貧しかったりする国の選手たちのハングリーさですね。「なんとしても勝ちたい」といった気持ちの強さやその表現の仕方が強烈でした。

中：日本の選手はグッと内に秘めるけど、外国人はアクションで外に出すからね。

内：それと、身長が高く、肩幅がごつい。サーブのスピードが速いです。

中：銅メダルを取ったアテネオリンピックの時の金メダリストなんか身長が186cmですよ。私と20cmも違う。大柄な外国人選手には、頭が同じ位置でも手の長さで負けたりしましたね（悔）。内田くんはまだ身長伸びているの？

内：い、いいえ。今、180 cmぐらいですけど、中学２年頃からあまり変わっていないです。もう5cmくらいあるのが、テニスではベストみたいですが……。

中：まあでも、一番大事なのは自分を見失わないでプレーすることじゃない。特に世界大会では。私の場合は、100mと200mという2種目があるなかで、気持ちを切り替えていかないといけなかった。それはテニスでも同じだと思うけど？

内：はい。僕も試合中にガッツポーズを大きくしたり、叫んだりして、相手にプレッシャーをかけ、試合の流れとともに、自分の気持ちも切り替えようとしますね。

中：スポーツって結局は自分との戦いだから、そこは絶対共通する部分じゃないかなぁ。技術はもちろん、メンタルも強くないとね。

進：ちなみに、中西さんはメンタルが強いほう？

中：はい。間違いなく強いほうだと思いますね（笑）。内田くんは？

内：僕は、練習がダメでも、試合で良かったりしますね。

中：わぁ！　私もそんな感じでした。ここは共通点ですかもね。

内：でも、これからは、試合中でも心が折れないようにもっと強くしていきたいです。

進：それでは、内田君の今の目標は？

内：テニスには18歳以下の世界ランキングがあって、100位以内に入れば、ジュニア版のグランドスラム（全英・全仏・全米・全豪の４大大会）に出られるのですが、この100位以内をキープして今年の４大大会すべてに出場することです。そして、ベスト４を狙いたいです。

中：じゃあ、将来の夢も聞かせてください？

内：やっぱり、一般のグランドスラムに出て、活躍することですね。

中：うん。いろいろ話を聞いていると精神的に強そうですし、目標に向かって頑張っていれば必ず達成できると思います。でも、テニスを一生懸命することも大事ですが、いろいろな人と交流し、スポーツ以外の様々な経験も重ねて、人間的にも成長していってください。人の悪いところを見て、真似せんとことか（笑）。そうして、ぜひ尊敬されるスポーツ選手になってほしいです。

内：はい。今日は、ありがとうございました。

中：こちらこそ、ありがとうございました。

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