日本の歴史って、すごい。感動します。

19世紀末、アメリカ。
南北戦争で英雄だったオールグレン（トム・クルーズ）は酒びたりの日々を送っていた。ひょんなことから彼は、近代化に急ぐ日本政府に軍隊の教官として雇われることになる。。。それは政府の反逆者「侍」たちの討伐をするためだった。

軍隊もまだまとまらないある日、突然の出撃命令に侍と戦うことに。その戦いで負傷したオールグレンは捕えられ、勝元（渡辺謙）の村へ連れていかれる。
武士を敵とする官軍に反旗を翻している勝元。しかし、彼の「侍」としての信念、生き方に触れ、オールグレンはだんだんとその精神に心を動かされていく・・・

見どころはやっぱり前評判どおり「勝元」。
渡辺謙は、ほとんど主役って感じでこの映画に君臨しています。

天
皇に忠義を捧げながらも、武器の輸入で金儲けを企む助言者の言いなりになりつつある若い天皇に、これまでずっと大事にしてきた日本の歴史、そして心を伝え
ようとする勝元。勝てる戦いでないとは知りながら、自分の信念を貫いていこうとする勝元に、本当の自分の生き方を見いだすオールグレン。

心を一つにして戦うサムライたちの姿は感動の一言！ 涙が出ます。
最初は名前もわからない村の侍たちだけど、見ているうちにいつの間にか顔を覚えていて最後の戦いの頃には、自分の知り合いのような気になってくるのが不思議。だからよけいに「がんばって！」って手に汗を握ってしまいます。特にボブ。

文明開化の頃の日本がわかりやすく描かれていました。
西洋文化をどんどん取り入れていく都会と、まだ江戸時代そのままの村の生活。
歴史の教科書に、たしかほんのちょっとくらい載っていたと思う「侍たちの生活」が、貧しいながらも美しく、そして静かに描かれています。

歴史嫌いだった私が思わず勉強しなおしてしまったくらい面白い作品でした！

text by...  たるぴ

2003/12/15