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ええやん! 交野

これは知っておくと便利! 「地震ITSUMO」講座2011/11/07

取材: 織姫ねっと市民リポーター ネネ

こんにちは。織姫ねっと市民リポーターのネネです。10月15日市役所別館にて、NPO法人「プラス・アーツ」理事長の永田氏を講師に迎え、「地震ITSUMO」講座が開催されました。突発的に起こる恐ろしい地震災害に立ち向かうには、その素性を理解した上で、防災に対しての技と知恵を実践できるようにしておくことが大切です。そのためには何をどうしたらいいのか‥という疑問を実演やクイズを交えながら具体的に教えていただきました。
講師のNPO法人「プラス・アーツ」理事長・永田氏
講師のNPO法人「プラス・アーツ」理事長・永田氏

防災を次世代に伝えるために

16年前の阪神・淡路大震災の当時の人の気持ちや、実際どんなことが行われていたのかを、子ども達にも伝えていきたい。という想いから、アニメの作品にしました。「ORANGE」という作品は、当時の消防士さんがどんな想いで救助活動をしていたかを描いています。無償で貸し出しも行っていますので、地域や学校・PTAでも是非ご活用してください。
その他、被災者の声を集めた防災マニュアル本「地震イツモノート」の出版や、遊びながら防災について学べるカードゲームも発売されています。

今後30年間に起きる地震の確率

今後30年の間に、東海地震87%、東南海地震60~70%、南海地震50%の確率で起こると予測されています。これらの地震は個別に起こるとは限らず、3つが連動することもあり得ます。
歴史から見ても、1707年の宝永地震では、東海・東南海・南海の連動型地震でマグニチュード8.6、最大震度7。東日本大震災以前では、我が国最大級の地震です。約2万人の方が亡くなり、大津波が瀬戸内海まで達したと残されています。

交野市に起こり得る被害とは

会場の様子
会場の様子
今後、東南海や南海地震で交野市が被害を受けた場合、地震の震度は5強です。
もうひとつ、確率的にはかなり低いですが、生駒の活断層帯が動いた場合には、震度6強の地震が起き、交野の家屋の約3分の1は倒壊すると予想されています。

地震の2つのタイプ

1、内陸部活断層型地震‥海のプレートが陸のプレートの下に沈み込み、陸がひきずられているときに負荷がかかり、陸のプレートにヒビが入り地震が起きる。
阪神・淡路大震災は内陸部活断層型地震でした。

2、プレート境界型(海溝境界型)地震‥海のプレートが陸のプレートの下に沈み込み、ひずみが溜まって限界に達すると一気に跳ねあがり地震が起きる。
東日本大震災はプレート境界型地震でした。
そして、関西エリアを襲うと予測される地震も、このタイプの地震です。

地震のメカニズム

プレートとは、板状の岩石の層のことで、陸の下には大陸プレート、海の下には海洋プレートがあります。
海のプレートは、海嶺(海底山脈)でボコボコと噴水のように生まれていて、毎年数センチ動きながら陸へ近づいてきています。海のプレートの方が重いので、陸のプレートの下に沈み込んでいき、ひずみが溜まって限界に達すると地震が起きます。
その後、海のプレートは海溝(海底の谷)で溶けるように消えていきますが、回転してまた生まれるため、地震がなくなることはありません。

日本列島は、北米・ユーラシア(陸のプレート)、フィリピン海・太平洋(海のプレート)という、4つプレートがひしめきあっていて、毎年5~10cmづつ近づいてきているため、いつ、どこで地震が起きてもおかしくない状態にあります。この状況を踏まえると、現代の子ども達にも地震のメカニズム・防災に対しての教育をしていく必要性が明白になります。

家具の転倒防止策

阪神・淡路大震災の被災者の方によると、「家具は倒れるのではなく、とんできた。」「家の中がミキサーをかけたようにグチャグチャに。」という話を聞きます。内部被害によるケガをされた方の原因は、家具や飛散したガラスによるものが約8割です。
家具を固定しておけば、いざという時に落ち着いて行動できます。子どもは自分で止められませんので、家族を守るためにも親の義務だと思って転倒防止策はやっておきましょう。
様々な商品があります
様々な商品があります
1、L字金具
強度が強いため、全国的に奨励されていますが、実際に取り付けている人が少ないのには理由があります。壁にもビスで穴をあける必要があるため、借家では無理がある。持家でも、石膏ボードの壁にビスを通すのではなく、壁の後ろの軸にあわせてビスを入れないといけない。軸にあわせて横板をはわしてからL字金具を取り付けるとこになるため、個人で出来ない場合は業者さんを呼ぶことになります。
かなりの手間もかかるということです。
2、ベルト式器具
壁側と家具側を両面テープで固定します。ベルトの角度は30度以下で固定します。L字金具のように壁に穴をあけられない時に使用することができます。
3、ポール式器具(つっぱり棒)
欠点は、小さい面積でつっぱるため、つり天井だと天井を突き破ってしまいます。最近は大きい面積で支える板のようになった商品も出てきています。

4、ストッパー式器具(ふんばるくん)
家具の前に差し込むことで、重心が後ろになり倒れにくくなります。

5、連結金具(シールタイプも出ている)
家具が連結している場合、側面の連結している部分を固定しておきます。

6、引き出しストッパー‥家具の側面と引き出し部分を固定しておきます。

7、開き戸ストッパー‥食器棚などの開き戸を固定しておきます。

8、本棚‥本の下に滑り止めシートをひくか、落下防止器具をしておきます。

9、薄型液晶テレビ・パソコン
ジェルシートを使用。液晶テレビの場合はサイズによって個数に違いがあるため確認してください。

・それぞれを単独で使用するのではなく、合わせることで強度が増します。
・タンスの中は重いものを下に、軽いものは上にしましょう。
・家具は出入り口の近くに置かない。転倒したときにドアが開かず閉じ込められてしまいます。
・ガラスは飛散フイルムをはるのが一番ですが、それができない場合はカーテンをひいておく。
・ガラスを割っている原因は家具がほとんどです。
・被災者の方の声より、「何も置かない部屋で寝るのが一番です」

皆さん熱心に質問されています
皆さん熱心に質問されています
ミニチュアキットによる家具転倒の実演
ミニチュアキットによる家具転倒の実演

身の回りのもので応急手当

腕を骨折した場合
1、添え木の代わりになるもの‥新聞紙・雑誌・折りたたみ傘
2、ハンカチやネクタイで固定する。
3、三角巾の代わりに、スーパーの袋の側面を縦に破り腕に通し、取っての部分を首に通す。
阪神・淡路大震災時、震災直後の救助活動は約95%が地域の方々によるものでした。もちろん担架はなく、毛布や網戸を担架かわりに使用するなど、身の回りのものを使用していかないとやっていけない状況でした。臨機応変に何でも使える知識を、普段から身につけておくことの大切さを物語っています。

持ち出し品リスト

基本になる16品目を1分間で覚えるという方式です。「覚えないと」と思うことで記憶にも残りやすかったです。
非常時持ち出し袋は、「家に置いておく」「会社に置いておく」「普段持ち歩く」と3つ必要です。
1、ポリ袋(大きさは大・中・小を準備。食材を入れて調理にも使用できます。)
2、ラップ(止血や調理にも使用できます。)
3、新聞紙(多機能で紙食器も作れます。被災地ですることがない子どもにも、折り紙感覚でお手伝いができます。)
4、レインコート(雨だけでなく、粉塵から子どもを守るのに役立ちます。)
5、携帯ラジオ
6、ヘッドライト(家族分を用意する。両手があくので便利。大きめの懐中電灯も1つ用意する。)
7、簡易トイレ(テノヒラトイレはお勧めです。)
8、救急セット(常備薬の他、デンタルリンスなど口腔ケアができるものも必要)
9、衣類・タオル(最近では圧縮されて携帯しやすいTシャツも販売されています。)
10、ウェットティッシュ
11、水(ストックの目安は1人1日2ℓ。お風呂の水もほどほどに溜めておくとよい。)
12、軍手(釘だと突き破ってしまうので、できればケブラーグローブや皮手袋を用意する)
13、非常食(ローリングストック法で、12食分を用意して、定期的に食べては買い足していくことで、期限切れがなく、おいしいまま食べられるという利点がある。)
14、ロープ(ロープワークを学んでおくと便利です。)
15、通帳・カード・印鑑
16、現金
「何を・どうのように・どれくらい」用意しておけばよいのか。という具体的な説明でしたので、今までよくわからないからと後回しにしていたことが、すぐにでも備えられる状態になりました。

非常時伝言サービス

1、災害用伝言ダイヤル‥「171」をダイヤル
2、災害用伝言板サービス‥各社携帯メニューから
3、災害用ブロードバンド伝言板‥WEB171で検索
それぞれに登録件数、登録できる電話番号、保存期間に違いがありますので、注意が必要です。
・毎月1日と15日。
・1月1日~1月3日。
・防災週間 8月30日~9月5日
・防災とボランティア週間 1月15日~1月21日
上記日程にサービスを体験利用することができます。
他にもツイッターを利用するなど、家族で災害時の連絡手段を決めておくことが大切です。


NPO法人プラス・アーツさん
防災に関しての知恵と技などを公開しています。 → http://www.jishin-itsumo.com/

「イザ!カエルキャラバン!」

カエルのとてもかわいいチラシですが(後日、小学校から持って帰ってきますよ)、実は楽しみながらしっかり学べるという、ファミリー向けの新しい形の防災訓練プログラムです。
12月3日(土)に交野市立岩船小学校で開催されます。
家で使わなくなったおもちゃを持っていこう!遊びながらできる様々な防災体験プログラムに参加することでもらえるポイントをためて、最後に開催されるオークションに参加しましょう!自分の好きなおもちゃをGETしようと子ども達はすごく盛り上がりますよ。

当日、スムーズな運営のためにも、お手伝いをしていただけるスタッフを募集しています。
11月12日(土)9時半~12時 市役所別館3階 中会議室にて説明会を行いますので、たくさんの方にご協力いただければ嬉しいです。
お問合わせは、交野市 地域社会部 社会総務室まで 電話072-892-0121

木造住宅の耐震診断・耐震改修の補助事業

木造住宅の模型による耐震を実演
木造住宅の模型による耐震を実演
交野市では、旧耐震基準(昭和56年5月以前)に建築された木造住宅の耐震診断および耐震改修にかかる費用の一部を補助する事業を行っています。
詳しくは、交野市役所 都市計画課までお問合わせ下さい。
電話072-892-0121  HP → http://www.city.katanp.osaka.jp/
地震のメカニズムから、防災に関しての知恵まで、約2時間半の講座はとても内容の濃いものでした。
今やっておけば、今知っておけば、いざという時に必ず役に立つことばかりです。講師が言われていた「親の義務として」という言葉も心に残りました。子どもにその知識を教え、教訓を伝えていくことで防災に対しての意識が持てるようになってもらいたいと思いました。そのためにも自分自身が、今回の講座で学んだことを活かせるように実践し、身につけていきたいです。